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心臓の電気の流れ

心臓が全身に新鮮な酸素や栄養を含む血液を送り届けるためには、
心臓が一定のリズムで収縮しなければなりません。
心臓には、電気信号による刺激によって、
一定のリズムで心筋が収縮するように指令を出す伝達回路があります。

電気信号の回路

心筋を動かすために、電気信号による刺激を生み出しているのが、洞結節と呼ばれる部分です。洞結節では、通常1分間に60~80回電気的刺激を発生させています。洞結節から電気信号による刺激は、刺激伝導系と呼ばれる心臓部内の電気信号を通って、心房の筋肉を収縮させます。

次に電気信号の刺激は、心臓中心部の房室結節と呼ばれる場所に伝えられ、ヒス束、プルキンエ線維を通って心室に届き、心室の筋肉を収縮させます。この刺激伝導系の回路から送られる電気信号の刺激を受けることで、心房と心室は順番に収縮することができるのです。

心筋が電気信号によって順番通りに収縮することで、ポンプとしての機能が果たされ、全身から戻ってきた血液が肺に送られて肺から戻った新鮮な血液を再び全身に送り出すことができるのです。

心電図のしくみ

心電図とは、心房や心室に伝えられる電気信号の刺激を検知して、波形として書き出したものです。

正常な心電図波形は3つの山で構成されています。最初の山は心房の電気的興奮を示すP波です。P波に続く大きな山はQRS波といい、心室の電気的興奮を表しています。

最後の小さな山は、心室が興奮から回復する過程を示すT波です。心電図の波形を確認することによって、心臓がどのように拍動しているのかを詳しく知ることができるのです。

正常な心電図

心電図の波形によって心臓の拍動の状態を見ることで、心筋の異常や乱れがないかどうかを判断することができ、波形のパターンによって、心臓のどこに異常があるか、どのような病気の可能性が高いかがわかります。