いつでも、どこでも、誰にでも起こるかもしれないこと、それが突然の心停止(心臓突然死)です。突然の心停止は様々な国で主要な死亡原因の一つとなっています。
突然の心停止の多くは、心室細動(VF)と呼ばれるものが原因です。心室細動になると心臓が不規則に痙攣するような状態となり、血液を全身に送り出す心臓本来のポンプ機能を果たせなくなります。
心室細動の最も有効な治療法は、電気ショックによる除細動です。
突然の心停止は交通事故死より多い
日本でも、1日約250人の方が突然の心停止になっています。
心停止の発生が最も多い場所は「自宅」です。
突然の心停止を起こした方の救命率は、除細動が1分間遅れるたびに約10%の割合で低下します。救命のためには、できるだけ早く除細動を行うことが重要です。一般市民による早期の除細動および心肺蘇生法の組み合わせがより多く実現すれば、突然の心停止からの救命率が向上すると期待されております。
※AHA心肺蘇生と救急心血管治療のための国際ガイドライン2000より引用
AEDは心室細動を起こした心臓に電気ショック(除細動)を実行することができます。電気ショックにより心臓の痙攣がおさまり、ポンプ機能を取り戻すことが期待されます。
心臓が停止すると、血液の流れが止まり、脳と心臓自身と各組織細胞に生命の源である酸素や栄養が行かず、数分で死に至ります。 胸骨圧迫を行う事で、血液を循環させる事ができ、AEDによる除細動効果も著しく向上します。
2004年7月1日より医師や救命救急士だけでなく、現場に居合わせた一般市民もAEDが使用できるようになりました。一般解禁より20年が経過し、AEDの設置は進みましたが、一般市民による除細動の件数は伸び悩んでいるというのが日本の現状です。除細動実行にたどり着くことが生存率の大きなカギになります。
AED一般解禁20周年の節目の年にオートショックAEDの販売が一般解禁されました。
オートショックAEDとは電気ショックボタンのないAEDで、電気ショックが必要と判断されると自動で実行されます。つまり一般市民は心肺蘇生を行うだけで、ショックボタンを押す必要はありません。これにより電気ショックの早期実行やバイスタンダーの精神的負担の軽減が期待されます。