AED

国立大学法人
茨城大学

国立大学法人 茨城大学

多くの学生や教職員をはじめ、様々な方が出入りする大学施設。今回、AEDによる救急救命により、大切な人命を救ったご経験のある「茨城大学」の皆様に、救命時の様子とAEDの操作状況についてお話を伺いました。

緊急時に対する備え

常日頃、緊急時に対する備えの重要性を認識されているとのことですが。

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大学は学生や教職員だけでなく、教育や研究の場として多くの方々が集まる施設です。年齢も様々で、体調にも差があります。また、スポーツや各種イベントも開催されていることから、救急救命を必要とする事故があらゆる場所で発生することが想定されます。茨城大学では、平成17年度から構内にAEDの配備を開始。平成21年7月現在、各事業場合わせて計15台のAED設置を行いました。今後も必要個所にAEDを適宜配備していく計画です。

AEDによる救急救命の状況

常日頃、緊急時に対する備えの重要性を認識されているとのことですが。

平成21年3月のことでした。朝9時半頃、事務室内で椅子に座って打ち合せていた同僚が、前触れもなく突然椅子から崩れ落ち、床に倒れたのです。すぐに119番通報すると共に、総務係に職員が倒れたこと、救急車を呼んだことを連絡。同時に別の職員が救急車誘導のため、大学正門へ急行しました。知らせを受けた総務係にいる事務長補佐が保健室に走り、看護師に現場へ向かうよう指示を出し、事前に事務長補佐から連絡を受けていた衛生管理者が守衛所に救急車が来る旨を伝えると共に、守衛所設置のAEDを持ち、同じく現場に向かいました。この間、約3分です。事故発生から5分後、現場に到着した看護師が患者の気道を確保し、意識・呼吸・脈を確認すると、患者の意識が無く、途切れ途切れにしゃくりあげるような『あえぎ呼吸』の状態でした。その3分後、守衛所に設置してあったAEDが届き、看護師と事務長が患者の衣服を脱がし、AEDを運んだ衛生管理者がAEDのパッドを患者に貼布。AED の「ショックが必要です」という音声ガイダンスに従い、AEDボタンを押しショックを与えました。その直後、衛生管理者が胸骨圧迫を開始。30回ほど圧迫を続けたところ呼吸が戻り始めた為、回復体位に切り替え救急車の到着を待ちました。その3分後、救急車が到着し、救急隊員に引き渡しました。事故発生から13分間のことでした。

倒れられた方の回復状況

緊急事態に直面して、どのようなことを感じましたか?

救急車で総合病院に運ばれ、集中治療室で治療をうけたのですが、その日の午後には意識が回復し、翌日には一般病棟に移動。AED内蔵メモリーに記録された心電図や症状から倒れた原因は不整脈だと分かりました。病院での検査や治療を経て、一ヶ月後には勤務に戻り、今では通常業務を行っています。

緊急事態に直面して感じたこと

その後、倒れられた方の回復状況はいかがでしたか?

倒れた方がいればすぐにAEDを持って駆け付け、使用できる体制づくりの重要性を身を持って感じました。AEDを患者にセットすれば、ショックの有無は機械がガイダンスしてくれますし、ショックが不要であったとしても心電図データが残るので、その後の病院での治療にも有効です。ただし、AEDさえあれば今回のように助けられるということではなく、『早い119番通報』『早い心肺蘇生法の開始』等、職員連携や救急車の誘導が組み合わさり、初めて救命が可能となることを実感しました。AED配備に加え、一人でも多くの方が救命講習を受けることを経験者として強く望みます。

大学内で変化したこと

緊急事態に直面して、どのようなことを感じましたか?

大学内で変化したこと

救命講習の回数を増やし、学生を含めより多くの方が参加できるようにしました。同大学は事前に危機管理体制は行っていたので、通報~CPR(心肺蘇生法)がすぐに出来ました。更に今回の件でAEDの必要性を改めて強く認識しました。今後も大学内全体で力を合わせて救命体制を強化していきたいと考えています。

この内容はPDF版「救命事例Vol.2」
でもご覧頂くことができます

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