過去に社会の先生が授業中に倒れてAEDを使用し救命したことがありました。その時は私がたまたまAEDの講習を受けていたので使い方がわかりましたが、講習を受けていない人がそばにいたらどうだったのだろうと考えるようになりました。それがきっかけで学校内でもAED講習会を実施していかなければならないと強く感じるようになり、養護教諭の相田先生とともに授業の中で実施していくことを提案しました。
消防などで通常行われているコースは3~4時間を要し、時間のない教員にとっては敷居が高いものになっていました。ところが、養護教諭の相田先生から紹介された『PUSHコース』はアニメのDVDを使用する事により初心者でも受け入れやすく、教員が何度か練習すれば簡単に講習ができてしまうという点に興味を持ちました。中身も難しいことは一切なく、ポイントを絞った講習内容になっていて生徒たちにも受け入れられると確信しました。
過去には半身の人形を5人に1体割り当てて講習を行ったこともありましたが、どうしても生徒に待ち時間ができてしまい集中して講義を聴いてもらうことができませんでした。しかし、『PUSHコース』に切り替えてからは待ち時間がなくなったことで生徒一人一人が集中して授業に望んでくれるようになったと感じています。短時間でポイントを絞ったことで、生徒の理解度も上がったのではないかと思います。
PUSHコースを授業に取り入れる目的は、単にAED講習を受けるだけでなく『命を助ける=自分の命を守る』ことにも繋がると考えています。講習を受けた生徒たちは命の重みを自覚してくれていると思います。これは、昨今話題にも挙がっているイジメや自殺の問題解決にもきっと繋がってくると信じています。
学内の先生が倒れてAEDを使って助けた経験を生徒たちに伝えていき、一人でも多くの知っている人がいることで勇気づけられる事を生徒に知ってもらいたいと思っています。PUSHコースはDVDを使用する事でどなたが実施しても差が出ないこと、ポイントが絞られている点で授業で実施するには最適と感じています。また、人工呼吸がないので年頃の男女が同時に受講できる点でも効率がよいと思います。経験上、生徒はAEDや心肺蘇生について身近に感じてくれているという実感があります。メッセージビデオも含めて生徒たちの心に届いているのではないでしょうか。
実際の救命の現場を経験していないので生徒たちに自分が言っていることが伝わるのかどうか不安がありましたが、生徒たちの反応を見ていると自分のことと捉えてくれてしっかりと伝わっていると感じました。今日はいきなりのご指名でしたので完璧には出来ませんでしたが、あと何回か経験すればもっと上手に実施できると感じています。講習未経験の自分にもできるという自信にもなりました。