心臓リハビリテーション

CPX検査について

患者ごとに安全で効果の高い運動療法を行なうために心肺運動負荷試験(CPX検査)によって求められるATポイントをベースとした処方が推奨されています。

ATポイントとは

嫌気性代謝閾値(Anaerobic threshold : AT)といい、呼気ガス分析装置を使用して求める、患者の乳酸が産生される運動閾値のことです。ATレベルを少し下回る強度で心臓リハビリを行うと安全かつ効果が高く、患者の状態に合わせてリハビリが行なえる運動強度としてガイドラインでも推奨されています。

ATレベルの運動療法の利点

  • 1.安全
    血栓ができにくく、交感神経活性が亢進しにくいため心筋梗塞、狭心症、不整脈などが発生しにくい運動強度です。
  • 2.疲れにくい
    乳酸産生が亢進しない運動強度なので疲労感がなく長時間の運動が行なえます。
  • 3.効果的
    もっとも脂肪が燃焼しやすい運動強度です。

心肺運動負荷試験(CPX検査)

検査の目的

  • 運動処方(ATレベル測定)
  • 心不全重症度判定
  • 心血管イベント発生閾値の測定
  • 運動耐容能、運動能力の評価

使用機器

  • 呼気ガス代謝モニター
  • 運動負荷心電計
  • エルゴメータ(トレッドミル)

プロトコール(エルゴメータ)

4分程度の安静、4分程度のウォーミングアップ後、約10分間でpeakに達するようなRamp負荷で行ないます。

一般的には以下のようなプロトコールで行なわれています。


  • 心疾患患者・高齢者 ・・・ 10watt/min
  • 中年者       ・・・ 20watt/min
  • 運動習慣のある人  ・・・ 30watt/min

検査のポイント

ATポイントの決定方法

呼気ガス分析を行い、運動強度の増加に伴う各パラメータを検証します。

ATポイントの決定方法は以下の通りです。


  • 1.VCO2がVO2に比して増加開始する点
  • 2.V-Slope法にてVO2-VCO2関係が45度以上に増加する点
  • 3.VE/VCO2が増加せずにVE/VO2が増加開始する点
  • 4.ガス交換比が増加開始する点
  • 5.ETCO2が増加せずに呼気終末酸素濃度(ETO2)が増加開始する点

ATポイントからの運動処方

ATポイントが決定したら以下の負荷強度で心臓リハビリを行います。

  • ATポイントの心拍数に達する運動負荷強度
  • ATポイント1分前の負荷強度(W)
    (負荷に対する生体の応答時間を考慮して1分前で負荷強度を処方します)

※自律神経が不安定な患者や運動機能に障害がある患者などは運動方法を考慮する必要があります。

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