むすび在宅クリニック京都
2025年10月開業
京都府京都市
- 内科
- 緩和ケア内科
記事更新日:2024.5.15
院長 本間 晋介 氏
開業前は新潟市の病院に勤務しておりましたが、老後を視野に今後の居住地について妻と相談した結果、関東地方に移転して仕事をしたいと考えるようになりました。
移転するにあたって、病院に所属するよりも開業医として自分の望むスタイルで仕事をしたいと考え、開業を決意しました。
子供の教育の関係で、家族は開業後も数年間は新潟市に残ることになりました。私は当面、自宅のある新潟市と開業地とを往復して生活することになるため、上越新幹線の停車する大宮からアクセスの良い立地で開業地の検討を始めました。所属学会の専門医名簿を参考に、埼玉県内の専門医の分布をGoogleマップ上にピン止めして把握し、競合の少ない立地の開業物件をWebで検索した結果、現在の開業地を見つけました。
開業をサポートしてくださるコンサルタントさんについて調べたところ、卸業さんや医療機器業者さんなどにお願いできることが分かりました。
開業後も関係が長く続く業者さんの方が親身になっていただけるだろうと考え、在宅酸素療法やCPAPなどでお世話になることが多い、フクダ電子さんにお願いすることにしました。フクダ電子の開業支援担当の方と相談しながら事業計画を作成し、銀行との交渉や内装業者の選定も開始しました。
内装業者の紹介や、資金融資元の金融機関の紹介、スタッフの面接、保健所への届出など、開業準備に関する殆どの場面でご支援いただきました。
支援担当の方が非常に経験豊富だったため、迷っている点や疑問に感じた点を質問すると、即座に明快なお返事をいただけることが多く、安心して相談することができました。
呼吸器内科のクリニックを開業するにあたっては、院内にCTスキャンを設置するかしないかが重要な検討項目となります。戸建てのクリニックであれば、余裕のある設計をしておいて開業後に経営が安定してから設置するという事も可能ですが、搬入経路が限られ設置場所を後から確保する余地が少ないビル診療所では、開業前に設置の有無を決定する必要があります。私は、駅近の開業地を確保できたこともあり、専門的な診療で広範囲から集患したいと考え、CTの設置を決断しました。
開業資金の融資を受ける際は、CTの設置を過剰投資と見なして融資に難色を示す銀行さんもありましたが、フクダ電子さんからご紹介いただいた銀行さんからは、CTを設置する資金プランで融資の了解をいただけました。現在は院内で月60件ほどのCT検査を行っておりますが、CTがあることで周囲の医療機関様から患者さんを御紹介いただいたり、肺がん検診の精密検査のために遠方の患者様がご来院下さったりと、集患の大きな柱になりました。
貝原益軒の「養生訓」に記述のある、幸せな人生を送るために大切な「三楽」(良き行いをして、健やかに、長寿を全うする)という言葉からとりました。また、岩槻出身の太田資正(三楽斉)という戦国武将が、逆境に負けない不屈の精神を持った方でしたので、その方にもあやかって、新天地で粘り強く診療したい気持ちもありました。
流行の波が大きくなるたびに発熱外来の問い合わせで電話がパンクし、スタッフさんに大きな負担をかけてしまいました。呼吸器内科ということもあり、コロナ流行前から感染隔離用の待合と診察室を設計にいれてありましたが、入れ替え制で30分に一人しか診療できないところにキャパシティを超える患者さんが来てしまい、感染のピークの時は目が回るような忙しさでした。
開業している先生であれば皆口を揃えておっしゃることですが、やはりスタッフ管理が一番苦労します。一見和気あいあいと仕事しているように見えても、私の目の届かないところで喧嘩していることがあり、ある日突然「私、もう限界なので明日辞めさせてください!!」などといわれて仰天したこともありました。定期的に個別面談などを行って、スタッフそれぞれの不安や不満をくみ取るのが大切だと思います。
開業して院長になると、建物や機器の保守、業者との交渉、レセプト請求、行政への届出、スタッフの労務や給与の管理など、勤務医時代には決して経験することのなかった多用な業務が次から次へと目の前に山積されます。ため込んでしまうと心の重荷がどんどん大きくなってしまうので、先延ばしせずに目についたものからどんどん片付けてしまうことをお勧めします。
クリニックの経営が安定してきましたので、今後は自分のメンテナンスにも力を入れようと考えています。息切れせずに長く走り続けられるよう、オフの時はしっかり休んで気力と体力を養いたいと思います。