むすび在宅クリニック京都
2025年10月開業
京都府京都市
- 内科
- 緩和ケア内科
記事更新日:2017.7
院長 秋好 沢林 氏
自分が勤務医としてできることに少し限界を感じるようになってきた時に「もっと自分の思い描く医療をするためには」を考えはじめました。そして、この地域の患者さんの要望や医療ニーズに今以上に応えるためには、また自分の理想の医療に近づけるためにも、開業がそれを実現できるのではないかと思ったのが大きなきっかけでした。
開業場所の設定には迷いはなかったです。もともとこの地域は血管外科のニーズが高く、また供給が絶対的に足りていないと感じていました。また、開業医はその地域の中核病院との連携が不可欠だと考えていましたので、しっかりと地域医療の根底を支えながら地域病院と連携が取れる地域、つまり私が勤務していた病院の周辺地域であり、またその勤務医時代に構築した人脈のネットワークがある地域で開業することを決めていました。
開業医としてスタートしてからだとなかなか自分の時間を取ることは難しいと聞いていましたので、開業準備前の時間があるときに資格取得をしようと取り掛かりました。実際に開業してみて分かりましたが診療以外でやるべきことが多く、開業前に取り組めたことは大きかったと思っています。
開業地域設定はある程度決めていましたので、具体的な開業物件を探し始めました。開業場所はその地域の交通網の中心であり、物件を探すなら平塚駅周辺と決めていましたので、まずは駅周辺での物件に絞って探すことにしました。下肢静脈瘤の患者さんは疾患の特性上継続的に来院することは少なく、常に新たな患者さんに当院を選んで頂く必要がありアクセスが良い場所を一番に考慮しました。
この地域での勤務経験が長く地域の医療事情を理解していましたので、その経験から集患するためのいくつかのアイディアは持っていました。ただ、下肢静脈瘤に絞った診療形態にするのか、他の疾患も積極的に診ていくのかで迷っていたことも事実です。
専門性とその必要性を理解いただくために積極的に近隣地域に広告を出すことにしました。勤務医時代からの経験でどこにニーズかあるかをある程度把握していましたので、それは強みだったと思います。タウン誌にも掲載し即効性はなくても徐々に認知度を上げていく努力も継続しています。今はその広告を見た方が確実に来院いただいており、効果があると実感しています。
インターネットは広く広告するには最適だと思うのですが、高齢者層はまだまだネットに不慣れな方が多いのではないかと思います。患者層にあった広告媒体を選ぶことが重要で、高齢者層の来院を期待する医療機関であれば、紙媒体広告も検討するのがいいと思っています。
なるべく楽しもうと心掛けて開業準備を進めていましたが、開院日が近づく終盤は時間が無く大変でした。特に勤務医時代あまり経験のなかった価格交渉は不慣れで特にストレスを感じました。
開業準備を進める中で、いろいろな依頼や質問に対してレスポンス早く対応いただき、また的確に進めて頂き感謝しています。
クリニック名に「静脈瘤クリニック」と名前を入れていますし、都市部の開業は医療機関自体が多く、疾患によっては内科疾患で競合となる施設も多くあるから当然なのですが、思ったより内科系の患者さんの来院が少ないですね。
以前は私も勤務医として雇用される立場であったので、自分がその時に感じた気持ちや不満を忘れず、できる限り従業員の立場に立って物事を考える目を持ちたいと思っています。その一方で、経営者として、判断を求められることも多く、時には厳しい判断もせざるを得ない場面があると実感しています。
医療機関が多くある都市部での開業は、武器になるような特殊性や専門性を持つことが大切だと思っています。今後の医療情勢を見据えると医療費削減の流れは変わらずに進むと思われますので、他医療機関と同じではなく核になるような専門性を打ち出すことが益々必要になってくるのではないかと考えます。
いまこの地域でスタートしたばかりのこのクリニックを早く軌道に乗せることは当然ですが、他地域でも同じように困っている患者さんが多くいると思います。そんな地域で分院を出し、より多くの患者さんの医療ニーズに応えていくのが当面の夢です。