むすび在宅クリニック京都
2025年10月開業
京都府京都市
- 内科
- 緩和ケア内科
記事更新日:2009.6
院長 蓼沼 寛 氏
内科医になった当初より、いずれは開業してホームドクターとして地域医療に貢献したいと漠然と考えていました。内科の勤務医として10年以上経ち、さらに開業前に勤務していた病院では内科の常勤医が私一人だったこともあり、そこで自信と独立心がつき、自分の力を試してみたいという思いもあり開業を決意しました。
開業を決意してから、実際にオープンするまで約2年を要しました。まずは開業地の選定から行いました。場所選定は非常に重要だと思います。
私の場合は、勤務していた病院の近くは開業医が非常に多かったこと、自宅から通勤できる場所という条件などから、いわゆるパラシュート開業を選択し、今の場所を選びました。
場所の選定には非常に気を遣い、情報収集には1年以上要しました。
色々な業者の紹介や診療圏調査ももちろん活用しましたが、診療圏調査ではわかり得ない部分もあるので、私自身、自分の足で見て回りました。現在の場所も1回だけでなく何回も足を運びました。
私の場合、大学は千葉、前勤務地は神奈川でしたので、開業した埼玉は全くのAwayでした。
しかし、何の地縁も血縁もない土地で開業することは、自分の力を試すという意味では良かったのではないかと思います。
また、埼玉は東京・神奈川に比べまだ開業医が少なく、特に開業した地域では開業医が少ないという情報を得ており、事前調査の検討の結果、何とかやっていけるのではという思いがありました。
ただ、全く未知の場所で病診連携をうまくやっていけるのだろうかという不安もありました。私の場合、幸いなことに大学の先輩が近くの病院の副院長をしていることもあり、病診連携を考える上でも大変心強い部分がありました。
開業してみて感じることは、入院の連携先を持つことが患者さんにとっても安心材料であることを実感しています。
開業は一人では出来ないので、パートナーとなってくれる人を探しました。
コンサルティング会社等にも声は掛けましたが、私の場合、横須賀で開業した先輩がフクダ電子にお世話になったことを聞き、私もフクダ電子に連絡を取ったのをきっかけにお世話になることにしました。
本当によくご支援して頂いたと思っています。あらゆる相談にものって頂きましたし、とても心強く感じていました。
特に医療機器の選定や職員の面接の時にもお手伝い頂き、大変心強く感じたのを覚えております。小さな疑問も相談にのって頂き、解決しながら準備を進めることができたので、不満も不安もなく開業ができ、深く感謝しております。
欲を言えば各業者さんの紹介において、1社(1名)の紹介ではなく、複数ご紹介頂いたほうがより比較検討が出来て良かったのではと感じました。ただ、現在振り返ってみると、ご紹介いただいた方においては満足しており、今でもお付き合いをさせて頂いております。
一番苦労したのは看護師の募集です。広告を3回出しましたがなかなか集まりませんでした。
現在はパート4名でやっています。当院では内視鏡検査を行っていますが、看護師が少ない時期は内視鏡を洗浄してくれる人がいなく苦労しました。しかし、事務員に協力をお願いし、洗浄にも対応してもらいました。本当に助かっています。
首都圏での内科開業医は現在ほとんど飽和状態にあり、これからの新規開業はリスクを伴うと思います。私のように、パラシュート開業であれば尚厳しいかと思います。それだけに、やはり場所の選定は時間をかけ、事前調査をしっかりし、慎重に行って欲しいと思います。
また、自分の診療スタイルを身に付けておくことも大事だと思います。特に内科医の場合は、専門性はもちろんですが、地域の健康相談窓口的な役割もあり、専門以外のことも勉強し、広く浅く柔軟に対応できるようになることも重要かと思います。
また、1人であらゆることに対応することは難しいので、人間として信頼できるパートナーを作ることも非常に大事です。私の場合、その点はとてもラッキーだったと思います。
金銭的な部分では、開業して暫くの間は患者さんも少ないので赤字が続くと思います。運転資金を多めに用意することをお勧めします。精神的にも余裕ができますから。余裕がなくなると自然とスタッフにもそのことが伝わり、少なからず良い影響は与えないと思います。
さらに私の場合、自由な開業準備期間が1ヶ月半ほど取れました。退職したのが3月で開業したのが5月中旬でしたので、ゆとりを持って開業準備に当たることが出来ました。準備期間として1ヶ月月半は長すぎず、短すぎずちょうど良かったと思っています。
また、患者数は急には増えません。開業医は口コミで患者が増えていくことが多いので、自分の出来ることをコツコツと行っていくことが大事だと思います。
開業して1年ですので、まだまだ認知度が高くないと思います。今後はさらに認知度を上げたいと思います。専門が消化器ですので、「お腹のことなら、たでクリニックだ」と言ってもらえるように日頃の診療を一生懸命、妥協のないようにやって行きたいと思います。また、理想としては、現在第2診察室も用意してあるので、ゆくゆくは2診体制にまでに発展できればと思っています。
開業医になってよかったと思うことは、患者さんの家族全員が私のところに通院していただいたり、ちょっとした相談で受診していただいたり、いわゆるホームドクターとしての機能が少しずつできているかなと思えることです。
これからもさらに地域医療に貢献できるよう努力していきたいと思います。