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ペースメーカー治療に関する手続きや利用できる制度

ペースメーカー治療を受ける際に必要な手続きや利用できる制度について紹介します。

心臓ペースメーカ手帳

ペースメーカー植込み手術後、患者さんには「心臓ペースメーカー手帳」が渡されます。手帳を受け取ったら記載されている患者さん自身についての情報に誤りがないかどうかを確認して下さい。もし間違いがあった場合には、担当の医師に報告して下さい。

この手帳には患者さんの個人情報のほか、患者さんの心臓の病気、手術を受けた病院、定期検診を受けている施設と担当医師の氏名、植込まれたペースメーカーに関する詳細な情報などが記入されています。

退院後のペースメーカー治療に関しても、医師が「心臓ペースメーカー手帳」に治療過程などを記入していきます。通院記録でもあり、患者さんの状態を確認するうえでも重要な手帳ですので、定期検査のときには必ず持参して下さい。

「心臓ペースメーカー手帳」には、患者さんがペースメーカーを使用していることが数ヶ国語で記載されています。外出や旅行の際にも常時携帯し、いつでも提示できるようにして下さい。

特定医療機器登録制度(医療機器トラッキング制度)

特定医療機器登録制度(医療機器トラッキング制度)は、万が一、医療機器に不具合が生じた場合に、医療機器に関する安全情報が患者さんや担当の医師に迅速かつ確実に提供されることを目的に、2005年から始まった制度です。ペースメーカー治療を受けている患者さんの場合、患者さんの個人情報や植込まれたペースメーカーの製品情報、植込み施設、担当医師名が登録されます。

この制度はペースメーカーを使用する患者さんにとって非常に重要な制度ですが、登録内容が患者さんの個人情報に基づくことから、患者さんもしくはご家族の意思によって登録するかしないかを選択することができます。

登録の有無によって医療内容が変わることはありませんが、登録された患者さんの方が登録していない患者さんよりも安全情報が早く伝わることもあるかもしれません。

高額療養費制度

ペースメーカーの植込み手術を受ける際の医療費に対しては、高額療養制度が利用できます。高額医療制度は、同じ医療機関で1ヶ月に支払う医療費が一定額を超える場合には、自己負担限度額を医療機関の窓口で支払い、自己負担額を超えた医療費は支給される制度です。

この制度の利用にあたっては、事前に加入している公的医療保険に申請書類を提出する必要があります。医療機関の領収書が必要となる場合もあるため、必ず保管して下さい。なお、入院中の食費や差額ベッド代は高額療養費制度の対象外です。

身体障害者の認定申請

ペースメーカーを植込んだ患者さんは、患者さん自身が申請を行うことで、身体障害者の認定を受けることができます。

所定の申請用紙に必要事項記入の上、身体障碍者福祉法が定める指定医師(通常各医療機関に1~2名在籍しています)が作成する身体障害者診断書を添付して、各都道府県の福祉事業所に提出して下さい。審査後、1、3、4級の認定を受けることで身体障害者手帳が交付されます。身体障害者の認定を受けることで、医療費の一部還付または全額免除を受けることができます(一部高額所得者を除く)。

手続き方法や内容が地方自治体によって異なりますので、詳しくは患者さんが居住する地域の福祉事務所や入院された医療機関の相談窓口にお尋ね下さい。

ご家族の方へ

ペースメーカーの植込み手術を受けた患者さんが亡くなった場合、ペースメーカーが植込まれたまま納棺し、通常の火葬をすると。火葬炉内でペースメーカーが破損して火葬炉が損傷したり、点検孔を覗いていた火葬場の職員が負傷したり、ご遺体が損傷する原因となります。そのため、火葬前に摘出をするか、ペースメーカーの破裂に配慮した火葬を行う必要があります。自治体や火葬場によっても対応が異なるため、事前にお問い合わせください。