長時間心電図検査
長時間心電図検査には以下のような種類があり、それぞれ長所と短所があります。
患者さんの病歴や症状によって使い分けます。
24時間ホルター |
イベントレコーダー |
パッチ型心電図記録計 |
植込み型心電図記録計 |
|
| 記録時間 | 24時間~ 48時間 |
1週間~ 4週間 |
1週間~ 2週間 |
3年~4年 |
| 心電図 波形記録 方法 |
連続記録 | イベント 記録 |
連続記録 | イベント 記録 |
| 検出能力 | △ | ◯ | ◯ | ◎ |
| 検査の精度 | ◎ | △ | ◯ | ◯ |
| 検査のし易さ | ◯ | ◎ | ◯ | △ |
| 入院の要否 | 不要 | 不要 | 不要 | 基本的には不要だが、1泊程度入院する場合もある |
パッチ型心電図記録計の検査方法
パッチ型心電図記録計は、1枚のパッチ型電極を主に左前胸部に貼付けて心電図を記録するための装置です。
1週間~2週間連続して心電図記録が可能で、多くの場合は電極を貼り替える必要はありません。
また、注意事項を守れば入浴も可能なので、患者さんは変わりなく日常生活を送ることが期待できます。

- 患者さんの心電図波形がきれいに記録できる場所を探します

- パッチ型電極をしわにならないように左前胸部に貼付けます。この際、剃毛などの処理をする場合があります。

- 本体を接続したら自動的に心電図の記録が始まります。
| 【パッチ型心電図記録計に関する診療報酬点数】 | |
|---|---|
| (D210)ホルター型心電図検査 (解析料を含む) |
1,750点 |
長時間心電図検査のイベント検出率
- 14日間での長時間心電図検査の診断率は63.2%
-
- 対象:不整脈の可能性のある症状のある救急部門を退院した成人患者174名
(平均年齢:52.2±21.0歳、55%が女性)。
主な兆候は、動悸44.8%、失神24.1%、めまい6.3% - 退院時にZio®Patchを適用し、最大14日間、また患者自身が症状を感じイベントをトリガーするまで装着
- Zio®Patch装着の83人の患者(47.7%)に1つ以上の不整脈があり、全体的な診断率は63.2%
- 対象:不整脈の可能性のある症状のある救急部門を退院した成人患者174名
| 初回不整脈発現までの 中央値(日) |
|
|---|---|
| 心房細動(※慢性心房細動除く) | 0.4 |
| 心室頻拍 | 3.1 |
| 上室性頻拍 | 0.8 |
| ポーズ | 4.2 |
| 2度・3度房室ブロック | 5.8 |
West J Emerg Med.2014;15(2):194-198
長時間心電図検査による心房細動検出率
ESUSの原因となる潜在性発作性心房細動を検出するためには長期間において心電図をモニタリングすることが重要です。
原因不明の脳梗塞または一過性脳虚血発作を発症後間もない55歳以上の患者(284名)における発作性心房細動の検出率を比べた試験では、24時間ホルター心電図検査の検出率に比べて、2週間心電図記録をした場合の検出率が5倍となることが示されました。


引用:Atrial Fibrillation in Patients with Cryptogenic Stroke. N Engl J Med 2014; 370 : 2467 - 77
脳梗塞・一過性脳虚血発作における潜在性心房細動診断を評価した50 試験、11,658 症例を対象としたメタ解析では、「入院時の心電図記録」,「入院中の心電図モニタリング」,「外来でのホルター心電図」,「体外式ループレコーダー(ELR)/植込み型記録計(ICM)」の4 期で順次心電図記録をすることで、心房細動を各々新たに7.7%,5.1%,10.7%,16.9%に認め、4 期を併せると23.7%の患者で潜在性心房細動を同定できることが示されました。


引用:Sposato LA, Cipriano LE, Saposnik G, et al: Diagnosis of atrial fibrillation after
stroke and transient ischaemic attack: a systematic review and meta-analysis.
Lancet Neurol 14: 377-387, 2015
植込み型心電図記録計
植込み型心電図記録計は、長時間心電図を記録するための5㎝~7㎝程度(3~4g程度)のチタンでできた機器です。大き目の注射器のような器具を用いて、主に患者さんの左前胸部皮下に挿入する手術を行います。
電池寿命が3年~4年程度あるので、他の心電図検査では見つけることができなかった原因を見つけることが期待できます。

- 植込み位置の決定。

- 切開ツールで皮膚を切開します。

- 挿入ツールを挿入します。

- 挿入ツールを奥まで挿入します。

- 挿入ツールのロックを解除します。

- 挿入ツール内部の青いパーツを引き抜きます。その後、挿入ツールを体外へ出します。

- 閉創して植込み終了です。
- 多くの場合は遠隔モニタリングの機能が備わっているため、植込み型心電図記録計植込み後に何か不整脈イベントが発生した場合は、定期的にその情報が担当医師に伝わるようになっています。
- 植込み型心電図記録計により診断がついたら、挿入部位に小さな切り傷を付けて本体を取り出します。
- 【植込型心電図記録計に関する診療報酬点数】
-
(K597-3)
埋込型心電図記録計移植術1,260点 (K597-4)
埋込型心電図記録計摘出術840点 (D210-3)
植込型心電図検査90点

24時間
イベント
パッチ型
植込み型

