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AEDコラム
2026.04.01

保育園にAEDの設置は必要?導入に使える補助金も解説

保育園へのAED設置を検討する際、そもそも保育園でAED設置の法的義務はあるのか、また利用できる補助金制度はあるのかなど疑問を持つ園は少なくありません。保育園へのAED設置に全国一律の法的義務はありませんが、ガイドラインでは推奨され、一部自治体では条例で義務化されています。

当記事では、保育園へのAED設置義務、設置のメリット、リース・買い取りの導入方法、利用できる補助金制度などを詳しく解説します。

 

1.保育園にAEDを設置する義務はある?

保育園にAEDを設置する全国一律の法的義務はありません。ただし、日本救急医療財団の「AEDの適正配置に関するガイドライン」では、幼稚園を含む学校はAEDの設置が求められる施設の1つとされ、学校管理下の突然死の約3割が心臓突然死で、年間約30~40件と報告されています。園で導入する場合は、職員の役割分担と通報手順を決め、運動場や出入口などから約5分以内に持ち出せる位置に置くと運用しやすくなります。

また、横浜市救急条例のように、一定規模以上の防火対象物などにAEDなどの整備を条例で義務化している自治体もあります。地域ごとのAED設置の義務に関しては、最新の要綱で必ず確認しましょう。

出典:厚生労働省「AED の適正配置に関するガイドライン 」

出典:横浜市「横浜市救急条例」

 

2.保育園にAEDを設置するメリット

保育園にAEDを設置すると、乳幼児の心停止時に応急処置へ移りやすくなり、万一の場面でも対応内容を説明しやすくなります。ここでは、保育園にAEDを設置するメリットを3つ紹介します。

 

2-1.乳幼児の心停止の際に応急処置ができる

保育園にAEDを設置しておくと、園児や保護者、職員の心停止が疑われる場面で、救急隊到着までの応急手当(胸骨圧迫とAEDの使用)へ移りやすくなります。特に乳幼児の睡眠中の急変には、原因が特定できないとされるSIDSなどもあり、事前の予測だけで備えるのは難しい面があります。

突然の心停止に限らず、急な意識消失やけいれんなどの兆候が見られた際も、通報手順と役割分担を決めた上で、早期対応の体制を整えることが重要です。いざという場面で迷いを減らすには、AEDの設置場所を職員が共通認識として持ち、定期点検と講習を日常の運用に組み込んでおく必要があります。

 

2-2.万が一のときに説明責任を果たせる

保育園は園児を預かる立場として、保護責任に基づく配慮義務があり、事故や急変が起きた際は「なぜ起きたか」「どう対応したか」を説明できる体制が求められます。AEDを設置しておけば、機種によっては作動履歴や周囲音の記録が残り、当日の対応を時系列で整理して共有する材料になります。

園として適切な対策を講じていた事実を示しやすくなり、説明を行うことで保護者との信頼関係にもつながるでしょう。

 

2-3.地域貢献ができる

保育園にAEDを設置し、地域に開放する運用を整えると、園外で急な心停止が疑われる場面でも、近隣の人が機器へアクセスできる可能性が高まります。自治体のAEDマップへの登録や、近隣施設との取り決めを行えば、休日や夜間の利用条件も整理できます。

地域の訓練や講習と連動し、設置場所を周知しておけば、緊急時の連絡・搬送までの動きがそろいやすくなります。保育園が地域の見守り体制に参加する姿勢を示すことで、自治会や周辺施設との連携も進めやすくなり、地域行事での協力にもつながります。

 

3.保育園へのAEDの導入方法

保育園にAEDを導入する場合は、初期費用を抑えやすいリースと、資産として保有する買い取りの主に2つの方法があります。ここでは各方法の特徴を整理します。

 

3-1.リース

AEDをリースで導入すると、初期費用を抑えつつ月額で利用でき、予算化しやすい点がメリットです。契約内容によっては、電極パッドやバッテリなど消耗品の交換、定期点検、故障時の交換対応などが月額に含まれる場合があり、運用コストを見通しやすくなります。一方で、買い取りと比べると総支払額が大きくなる傾向があり、中途解約で追加費用が発生する場合もあるため、契約期間と条件の確認が欠かせません。

判断の軸は、「初期費用を抑えたいか」「保守や消耗品を外部にまとめたいか」「想定利用期間が5年など短めか」です。契約期間はメーカー保証に合わせて5年が多い一方、本体の耐用期間が8年の機種に合わせた長期契約が用意されることもあります。長く使う前提なら買い取りも含めて比較するとよいでしょう。

 

3-2.買い取り

AEDを買い取りで導入すると、初期費用は大きいものの支払いは一度で済み、長期利用では総コストを抑えやすい点がメリットです。本体価格は機種により~45万円程度が目安で、別途、電極パッドとバッテリなど消耗品の交換費用が発生します。交換周期はメーカー指定に従い、5年で5万~6万円程度かかる例があります。買い取りは契約更新に縛られにくい一方、期限管理や点検、消耗品の手配は園側で行います。

導入時は交換時期の記録方法、予備品の保管場所、点検担当者を決めると運用が整います。保証期間終了後の修理対応や更新計画も、あらかじめ検討しましょう。判断の軸は、「設置予定が5年を超えるか」「管理や手配を業者にまとめて任せたいか」「予算を年度で平準化したいか」です。長期固定なら買い取り、電極パッドやバッテリの交換や点検を月額で標準化したい場合はリースを検討しましょう。

 

4.保育園がAEDの設置に使える補助金

保育園のAED設置費用は、自治体や民間団体の助成制度で一部を補える場合があります。ここでは、生命保険協会や板橋区、草加市、岡山市などで行われている補助金制度の概要を紹介します。

AED設置に対する補助金・助成金の種類や申請条件・事例を解説!

 

4-1.子育てと仕事の両立支援に対する助成活動(生命保険協会)

生命保険協会の「子育てと仕事の両立支援に対する助成活動」は、保育施設や放課後児童クラブの受け皿拡大・質向上に必要な設備整備や備品購入を支援する制度です。応募資格を満たす施設がWebで申請し、選考委員会の審査で助成が決まります。

助成額は1施設あたり15万円または20万円で、助成金の総額は2,500万円です。助成決定施設名は11月上旬に公表され、交付は12月下旬が目安です。2014年度から2025年度までに1,405施設へ2億8,900万円を助成しています。

出典:生命保険協会「制度概要」

 

4-2.民間保育施設AED設置経費助成(板橋区)

板橋区の「民間保育施設AED設置経費助成」は、区内の私立認可保育所・認証保育所・認定こども園・保育室などで、要綱上は平成21年4月1日時点でAED未設置の施設を対象に、AED設置に要する費用を助成する制度です。

備品購入費、消耗品費、設置工事費などが対象で、交付額は実支出額と助成基準額のいずれか少ない方となり、助成基準額は39万円です。交付額に1,000円未満の端数が生じた場合は切り捨てとされ、申請者側の要件として税の滞納がないことなども定められています。申請前に対象施設の区分や必要書類を要綱と窓口で確認しておくと手続きが進めやすくなります。

出典:板橋区「板橋区民間保育施設 AED 設置経費助成要綱」

 

4-3.AED設置補助金(草加市)

草加市では、草加市内の私立幼稚園と民間保育所が新たにAEDを設置する場合、費用の一部を補助する制度があります。補助対象はAED本体に加え、電極パッドやバッテリなどの付属品、設置費用です。

補助額は補助対象経費の2分の1以内で、上限は15万円、補助台数は約1施設あたり1台とされています。申請に必要な書類や手続きは、担当課へ問い合わせて確認します。

出典:草加八潮消防組合「AED設置補助金交付申請書(草加市内のみ)」

 

4-4.私立特定教育・保育施設AED設置促進事業補助金(岡山市)

岡山市の「私立特定教育・保育施設AED設置促進事業補助金」は、私立の特定教育・保育施設がAED設置に取り組む際、予算の範囲内で補助を行う制度です。対象事業は、AEDと附帯品の購入による設置に加え、リースまたはレンタルでの設置も含まれ、他の助成で経費が賄われる場合は対象外とされています。

補助上限は、購入は1施設あたり1回限りで30万円、リース・レンタルは対象期間中の累計で30万円です。市税滞納がないことなどの要件に加え、日常点検、設置責任者の選任、講習受講職員の配置、近隣での無償使用など運用面の要件も定められています。

出典:岡山市「岡山市私立特定教育・保育施設AED設置促進事業補助金交付要綱 」

 

まとめ

保育園にAED設置の全国一律の義務はありませんが、ガイドラインでは学校施設は設置が求められる施設に挙げられ、自治体によっては条例で整備を求める例もあります。設置の利点は、急変時の応急手当へ移りやすいこと、対応内容を説明しやすいこと、地域での活用につなげられることです。

導入はリースと買い取りがあり、初期費用、電極パッド・バッテリ交換費、利用期間で選びます。補助金制度は生命保険協会や板橋区、草加市、岡山市などで実施されており、補助の上限や対象経費が異なるため、公募要項と申請時期の確認が必要です。

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